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「排尿健診の重要性」夕刊フジ(8月28日掲載)

local_offer夕刊フジ

 

一般的に「夜間排尿3回は、年のせい」といわれていますが、6000人以上の調査で、夜間に3回以上排尿に行く男性の場合、死亡率が1.9倍になるとの報告もあります。

 

年をとると前立腺肥大症で頻尿を起こしやすく、夜間のトイレ回数は増えます。しかし、「年のせい」と放置していると、男性ホルモンのテストステロン値まで下し、男性力が下がります。

 

テストステロンの減少だけでも筋力や活力は供下しますが、頻尿で外出もままなくなると足腰は弱り、筋肉が脂肪に置き換わって身体能力が供下するサルコペニック肥満、心身虚弱のフレイルへとつながり、将来の寝たきりリスクを上げることにもなるのです。

 

それを防ぐためにお勧めしたのが「排尿健診」です。私(斎藤)が、東京・代官山に泌尿器・日帰り手術クリニックを今年7月に開院したのは、排尿の状態が健康のバロメーターになることを多くの人に知っていただきたいと思ったからです。

 

私は長年、大学病院で排尿障害の研究を行う一方、手術も多く手がけてきました。並行して泌尿器科在宅クリニックの設立を手掛け、常に100人程度の地域の患者さんをつぶさに診てきました。

この在宅クリニックでの経験で、排尿障害の改善が健康長寿に役立つことを痛感したのです。

 

いつまでも健康で元気に過ごすには、正常な排尿がとても大切です。しかし、一般の健康診断には排尿健診はありません。排尿障害は全身の健康を損ない、病気の後押しをするのですが、その意識がないからかもしれません。

 

尿検査では、尿蛋白などで腎機能の状態はわかっても、膀胱の機能の状態を知ることはできません。排尿に関係する体のホルモンバランスも調べられることはないのです。だから、前立腺肥大症で夜間頻尿を抱えている人は、膵胱機能が低下する認識が薄い状態が続いていると思います。

 

代官山の私のクリニックでは、男女問わず「排尿ドック」を実施しています。保険診療の対応で、排尿障害を入り口に、ご自身の健康状態に気づいていただくことが目的です。

 

尿の排出力(尿流量測定) 残尿測定、筋肉量測定、骨年齢、血管年齢、男性ホルモンのテストステロンなど排尿に関係のある各種のホルモン採血も行います。生体年齢もわかります。

 

排尿障害の原因だけでなく、関連する病気や身体状態を知ったうえで、個人差のある排尿障害を改善する。それをアンチエイジングにもつなげていただきたい。排尿力は若さや男性力を維持するために欠かせません。もっと排尿を意識して、健康的な排尿を維持していただきたいと思います。

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