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泌尿器科Q&A②(夕刊フジ9月11日掲載)

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今年7月、東京・代官山に排尿障害とエイジングケアに特化したクリニックを開院した斎藤恵介院長が、あまり知られていない泌尿器に関する質問に答えます。

 

Q前回、排尿障害は骨盤底筋群の機能低下が関わると知り、ネットで骨盤底筋トレーニングの方法を見つけましたが、うまくできません。効果的に鍛える方法はありませんか?

A骨盤底筋群は骨盤の底に位置して臓器を支え、尿道、肛門、女性の場合は膣の開閉にも関わります。骨盤底筋群は加齢で機能が低下しやすく、女性は出産でも大きなダメージを受けます。赤ちゃんが膣から出るときに骨盤底筋を傷つけるからです。女性は出産後、骨盤底筋機能の低下と排尿障害に悩まされやすくなり、40代後半からは、ちょい漏れを経験することも少なくありません。その回復方法として、一般的な骨盤底筋トレーニングの効果は体感しにくいといえます。

 

私(斎藤)は長年、排尿障害の診断・治療を行っています。骨盤底筋トレーニングがうまくいかずに悩む患者さんをたくさん診てきました。そこで、今年7月に開院した私のクリニックでは、排尿障害とエイジングケアに特化し、新しい骨盤底筋群体操としてPNE(固有受容生神経筋促進法)の理論を応用したオリジナルのトレーニングの提供をしています。脳と神経、筋肉の信号の往復を促し、それぞれの結びつきを活性化することで、本来持つ機能を呼び戻すのがPNF療法です。

 

実は、骨盤底筋群は骨盤の底にある筋肉だけで構成されているのではありません。骨盤を底辺とした腹筋や背筋、横隔膜、下肢の筋肉とも密接に関連しています。私たちは筋電極を使い、それらの筋肉と骨盤底筋群の関連を調べ、PNF療法の知識を応用し、骨盤底筋群体操の指導をしています。訓練を積んだ施術者によって、骨盤底筋のみならず手足の運動も行うPNF療法は、ご自身で行う骨盤トレーニングよりも効果的です。

 

健康診断などでは調べられない自身の生体年齢を知ることも重要です。当院では、筋肉量の測定を行い、筋肉が弱い部分は高周波磁気治療スターフォーマーPro」=写真=で強化することが可能です。スターフォーマーは服を着たまま30分前後、約5万回の磁気刺激によって骨盤底筋群や筋肉などを活性化させます。一般の電気治療とは一線を画し、施術中に膀胱も収縮して過活動膀胱にも効果が期待できます。しかも、運動が困難な人や若い女性でも服を着たまま座るだけです。このように、最新の医療機器を上手に使用することで骨盤底周辺の機能を効率的に向上させることが可能なのです。

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